いのちの初夜(北条民雄)
2009年 11月 10日
かなり自伝的な感じだと思います。
周りの人間も自分も肉体的に緩やかに朽ちていく様子がかなり詳細で、想像するととってもキツかったです。
「この病になったとたんに、社会的人間として滅び、生命そのもの「いのち」になる」と語り、崇高であろうとする人。
「どんなに精神が勝利しても、この肉体の敗北がたまらない」と死を選ぶ人。
普通の社会生活に戻ることの出来ない中で「生きる」ことを考えた人たちのお話です。
彼らの絶望感がどんなものだったのか、そして生きることがどんな意味を持っているのか、全てをわかったとは思えないけど、深く考えさせられる本です。
全体的に「死」へ着実に向かっている人々の話は悲しいけれど、生への力強さをしっかりと感じました。
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