映画「レオニー」を観て
2010年 08月 07日
イサムノグチのお母さんの生涯を描いた映画レオニーの試写会に行ってきました。
イサムノグチに半分日本人の血が流れているのは知ってたけど、彼の半生も知らなかったし、お母さんの人生なんて全く知らなかったです。
20世紀初頭のニューヨークで、日本人の詩人と出会ってイサムノグチを身ごもったレオニー。
あの時代には、たぶんそんな人はまだまだ少なかったはず。
自分をきちんと持ってるレオニーの決断力ってすごい。
「私はお母さんのために生きているのではない」と言い切って、母を置いて息子(イサムノグチ)と日本へ渡るレオニーを見て、本当に強い人だと思いました。
そして、ちょっとした仕草とか会話がすごく印象的。
手と手が触れ合う場面とか、空を仰ぎ見る視線とか。
だからそれが私には残像になったままお話も進んでいくので、レオニーの人生をちょっと追体験しているような気分。
試写会が終わった後、監督の松井久子さんとお会いして映画制作までの事や思いなどをお聞きできたのも嬉しかったです。
松井監督は、今までの作品もそうだけど、自分の興味の範囲内でふと出会ったものからあるとき突然「これだ」って閃きが訪れるそうです。
もちろん今回の作品も。
私もそうだけど、別に全ての事柄にアンテナを張り巡らす必要ってなくって、自分に引っかかる部分を大事にするって大切。
イサムノグチの生涯について書かれた本を読み、その中に書かれていた彼の母(レオニー)にすごく惹かれたらしいです。
実際に、彼女について書かれていたページはとっても少なかったらしいけど。
そうして、松井監督の目を通して描かれたレオニーを観て思ったのは、彼女は息子のためだけに生きたわけではなく、息子の人生も自分の人生も大切にして生きていったんだなあということです。
もちろん不安で胸が押しつぶされそうなことってたくさんあっただろうけど、それよりも前へ進もうという気持ちのほうが強かったんでしょうね。
自分らしく生きる事は、そのぶん自分で責任も負う事であって、でもそうすればたぶん自分の人生を後悔する事ってないんだよねってあらためて思いました。
映像の色や空間も含めて、静かで強い雰囲気が流れている映画です。
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